従来、センテンスとセンテンスの間は二つスペースを空けるとされてきましたが、近年は1つでよいとされています。その変化の背景にはコンピューターの発達と、それに伴うフォントの進化があります。
フォントにはすべての文字が同じ幅の等幅フォントと、文字によって幅が異なるプロポーショナルフォントがあります。プロポーショナルフォントというのはコンピューターの出現によって可能になったものであり、タイプライターの時代には等幅フォントしかありませんでした。
等幅フォントでは、I や小文字の l など細い文字にも同じ幅が与えられるため、こうした文字の左右には空白ができました。そのため、新しいセンテンスの始まりが目で見てわかりやすいように、センテンスとセンテンスの間、あるいはコロンの後には二つのスペースを空ける「ダブルスペーシング」が一般的な習慣として定着し、米国における標準的な文章の書き方となりました。
しかしコンピューターの発達に伴い、文字と文字の間が不必要に空かない、より見やすいプロポーショナルフォントが考案され、普及しました。それによってダブルスペーシングはその必要がなくなったばかりか、場合によっては文章の見映えを損なうことにもなりかねなくなりました。
現在では、タイプライターを使って文章を書く場合や、等幅フォントを使う場合を除いて、センテンスとセンテンスの間はシングルスペースでよいとされています。コロン、セミコロン、クオーテーションマーク、感嘆符などの後も、シングルスペースです。